もう我慢しないでください

新年度早々(エースホーム本部は2月決算なので、3月から新年度)、当番決めを連絡してなかったので、今週は企画開発本部の佐藤です。


今回は、2月10日に配信した住まいる塾メルマガ「断熱住宅のメリットは『省エネ』だけじゃない!」や2月17日に放送したAFCスタジオ2611第102回『断熱化と健康への影響調査』特集などでも取り上げた『断熱と健康について』あらためてご紹介してみます。

1月13日に国土交通省が「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査」の中間報告を公表しました。
この調査は、国交省のスマートウェルネス住宅等推進事業として、(一社)日本サステナブル建築協会が実施したもので、平成26年から29年度の4年間にわたって実施する予定のうち、平成27年末までの成果の中間報告になります。
断熱改修を予定する全国約1,800軒の住宅と居住者約36,00人を対象として、改修の前後における居住者の血圧や生活習慣、身体量などへの影響を検証しています。

住宅の断熱性能が居住者の健康状態に影響を及ぼすことはこれまでも指摘されていて、さまざまな研究成果も発表されていました。
しかし「エビデンスが不足している」という声があったのも事実なので、今回の発表になったんだと思います。たぶん。


発表資料はこちら


今回公表された中間報告では、冬季の起床時室温が低いほど血圧が高くなる傾向が確かめられました。
以下、スタジオ2611のスライドを拝借


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厚生労働省が策定した「21世紀における国民健康づくり運動」では、2022年までに国民の収縮期血圧平均値を4mmHg低下させることを目標として掲げています。
この目標を達成することで、循環器疾患死亡者数が1万5000人も減少するといわれてます。
収縮期血圧平均値を4mmHg低下させるための対策としては、栄養・食生活の改善や身体活動・運動、飲酒などが挙げられてますが、現時点では断熱化といった住環境の改善は対策のなかに含まれていません。

今回の中間報告の結果では、高齢者ほど起床時室温が低いと血圧が高くなる傾向があることが分かっただけでなく、断熱改修を行うと血圧の上昇を抑制できる傾向があることも確認されました。


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英国保険省では冬季住宅内室内指針を定めているという。18℃を許容室温とし、18℃未満で血圧上昇・循環器疾患の恐れがあり、16℃未満で呼吸器系疾患への抵抗力が低下するとしています。

驚くべきことに、日本の住宅ストックのうち、約4割が無断熱住宅であると言われています。


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こうした無断熱住宅に住む高齢者の多くは、寒さを感じながらも「我慢」をしながら暮らしているのではないでしょうか?
しかし、その「我慢」が、もしかしたら自らの健康寿命を縮めるようなリスクをもたらしているかもしれないのです。
さらに言えば、社会保障費などの増大につながってくる懸念さえあります。


住宅を供給する立場からすると、室温の低下がもたらす危険性を広く知らせて、高齢者に「もう我慢しないでください」と伝える(かつ対策も施していく)ことが求められそうです。